10/7活動報告会でした、ついでに「JICAにもう一言もの申したく・・・」

10/7 活動報告会 於:ガイアナ外務省10月7日(水)、ガイアナ・外務省で10月に任期終了になる5名のJICAシニアボランティアの活動報告会がありました。
各配属先の方々や外務省の担当者など約20名ほどに来ていただいて、各ボランティアがそれぞれの活動を振り返り、プレゼンを実施。
皆さん、ハイレベルな活動内容で「すごいな~」と感心しているうちに私の順番がやってきて、前日の夜、泥縄式にでっち上げたシナリオを見る余裕もなく、口からでまかせの説明で15分ほど、支離滅裂のプレゼンを終えました。

私のプレゼンでは、活動内容の紹介はもちろん含めましたが、それとは別に「JICAボランティアの赴任時、もしくは可能であるなら日本を発つ前にTOR(Terms Of Reference)文書をボランティアと共有するか、ボランティア宛に送付するかしていただければ、特に任期が短かいケースでは有効である」ということを「Recommendation」として伝えました。 
これは、前任国・スワジランドで赴任一日目にCP(カウンターパート)がA4一枚に15項目のTORを私に示し、そこから私の当地での活動が非常に効率良く開始できた経験から述べたものです。

JICAボランティアの派遣にいたるまでには、
 1.各途上国で主にJICAコーディネータが派遣先・派遣テーマを発掘し、
 2.各国担当省庁から当該国外務省経由でJICAの東京HQ宛に派遣要請文書が送付され、
 3.協力隊事務局で評価・選別の上、協力隊員・シニアボランティアの公募にかけられ
 4.応募者の中から派遣隊員・シニアボランティアを選別し、
 5.必要に応じて派遣前訓練を受けさせて、
 6.当該国に派遣
というステップを踏みます。

上記2.で当該国で派遣要請文書が作成されてから、6.で実際に隊員・シニアボランティアが当該国の土を踏むまでに、長期(2年)派遣の場合、短くても1年かかります。短期(1~12ヶ月)の場合でもおよそ最低6ヶ月かかります。 そのあいだに要請内容が変化したり、担当者が異動して要請そのものの存在があやふやになっていたり、もともとの要請内容以上に頼みたいことが増えたり、いろいろな事情で途上国側の状況は変化します。 変化せず、要請内容のまま協力活動を開始できるのは非常に幸運なケース、というべきです。

私の場合、今回のガイアナ派遣では、日本で受け取った要請文書には、
 「水道局の料金徴収システムで徴収漏れや金額ミスが多く発生しており、そうしたミスを少なくするための要員訓練(操作訓練など)・システム改善」
これが要請内容でした。
で、実際にガイアナ水道局に到着して、最初に頼まれたことは、
 「水道局ICT部門の文書やプロセスを国際標準に沿ったものにするためのサポートをお願いしたい」
でした。 また、ICT部門のスタッフから上がってきた要望として、
 「Web開発のためのPHP Programingのトレーニングをお願いしたい」
というものでした。特に今回、上記のうち前者(文書・プロセスの国際標準化)については、ISO9000・ISO9001・ISO20000やITIL(Iformation Technology Infrastructure Library)適用のコンサルテーション的な要望であり、システム監査技術も含め、非常にハイレベルな要求と言えますし、いきなり面と向かって頼まれると腰を抜かします。

このように、派遣要請文書に書かれた要請内容と現場に立ったときに受け取る要望内容との間に食い違いがあるのは、これはもうしかたないことだ、とわれわれボランティアは割り切って受け取っています。 しかしもし、赴任前1~2ヶ月の時点でCurrently required missionsとしてTOR文書が手元に届いていれば、ずいぶんと状況は違います。 そのようなタイミングで途上国側からTORを発出するのはおそらく困難でしょうから、当該国のJICAコーディネータから各派遣先に「直近TOR再発出の要請」を出していただいて、発出されたTOR文書を東京HQ経由、派遣ボランティア宛に送付していただけると、たいへんありがたいのですが・・・その際、翻訳せずに原文のままいただけるほうがいいです。 翻訳によって微妙にニュアンスが伝わらなかったりしますし、翻訳+要約によって消えてしまう部分もあるかもしれませんから。

JICAボランティアのポータルシステムにはボランティアの報告書をポータルで提出する、という機能があって、その中に「JICAへの要望・意見」という欄があります。私はこれまでにいくつか要望をあげたことがあるのですが、それが取り上げられたのか却下されたのか(なにも変わっていないのできっと却下なんだと思うのですが)まるで「砂漠に落とした水滴」みたいに消えてしまって、意見・要望を出すこと自体に無力感を感じました。「まるでブラックホールみたいな組織だな~」とか感じながら、今ではJICA担当者やJOCV事務局から要望や意見を訊かれても何も言うまい、と決めています。 で、「砂漠に落とした水滴」みたいに消えないように、ここに記しておきます。

今までに「JICAへの要望・意見」に書いたと記憶しているのは、
 1. 派遣要請からボランティア赴任までの期間を短縮してほしい(上に書いたことと関連します)
 2. ポータルシステムの「IE限定」というバカげた制約を一刻も早く解き、Chrome,Firefox,Safari,Operaなど主要なブラウザで利用可能にしてほしい
 3. ポータルの「報告書閲覧」で、「添付文書」も閲覧可能にしてほしい(文字数の制約があるため、本来伝えたい内容の多くが添付文書の中にあるケースが多い)
    (私が提出した添付文書はいったいどこにあるのでしょう? 広尾の図書施設から「市ヶ谷の地球ひろば・体験ゾーン」に移ったというJICAボランティアの報告書閲覧端末では添付文書を閲覧可能でしょうか? 砂漠に落とした水滴みたいに行方知れずです。 まだ電子化される前、つまり紙で提出していた添付文書は、きっとどこかの倉庫でほこりを被っているのでしょう、電子化後はたぶんどこかのサーバー上に「隊員番号xx番第x号報告添付文書」とかいうフォルダに保存されて、誰もアクセスできないまま死んでいるのかも、あるいは、各国担当のPCのどこかでひっそりと死んでいるのかも・・・もっと、もっと透明性を!)

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