配属先(ガイアナ水道公社)でプログラミング研修

私の配属先、ガイアナ水道公社(GWI Guyana Water Incorporated)のICT部門には12名ほどの技術スタッフがいて、水道料金徴収システムが稼動しています。 全国の主要な街に水道公社のオフィスがあって、VLANが構成されており、各オフィスの窓口に設置された端末から水道料金の入金が処理されています。日本では聞いたことがなかったですが、水道や電気などの料金徴収用のアプリケーションとして海外ではけっこう有名なHiAffinity Billing Systemというのが導入されていて、現地スタッフによる自立運用が実現しています。Billing toolとしてHiAffinity、それにDBツールとしてはORACLEが入っています。DELLのラックマウントサーバーが10数台設置されています。独自ドメインでメールサーバーも立ち上げていて、かなり本格的な、しかも外部の支援を受けずに自立運用中のサーバー群です。 
Programing研修プラン
こういった状況からみれば、この配属先にはJICAボランティアのサポートなど不要なようにも思えるのですが、着任してしばらくのころ(7月下旬)、スタッフから「PHPやWeb系のプログラミングのトレーニングを受けたい」というリクエストがあり、職場のリーダーからも同様の依頼があって、急遽「PHP&Web Programing」というテーマで教育研修プログラムを計画しました。 
今回の派遣要請には「料金徴収システムで発生する誤入力や操作ミスを低減するためのサポートと教育」としか書いてなくて、何をすればいいのか不明なままの任地入りでしたが、ようやく現場からのリクエストが上がってきたわけで、私の側の準備の有無にはかかわりなく、「これを逃す手はない」と研修プラン作成とテキスト作成に着手したのが、7月の末あたりでした。

今風なPHP講習であれば、いきなりcakePHPなどのフレームワークツールを使って、「いかに効率よく、手っ取り早くWEBアプリケーションを構築するか」という観点ではじめるのが主流かもしれませんが、私はあえてフレームワークツールには触れず、PHPやHTML・CSSをベタ打ちすることでそれらのコードに親しんでもらう、という回りくどい方法をとりました。

Programing研修テキスト 目次8月に入って、早速研修を開始し、毎回テキスト作成に追われながらの「自転車操業」状態の日々が続きました。
一回につき約2時間の講義+実習を週に2回ずつで、2時間分の講義用テキストはA4で10~15ページです。 またまた今回も苦手な英作文と悪戦苦闘の毎日でした。 テキストはようやく全16回分を作り終えて、全部で180ページほどのボリュームになりました。こちらで参照可能です。

ICT部門からの参加者は全部で7名。ほぼ全員がプログラミング経験がないのですが、日頃からGWI内のいろいろなシステムのサポートを担当しているスタッフですので、習熟ははやくて、あがってくる質問も的を射たレベルという印象があります。 ただ、以前パラオやスワジランドでも経験したことですが、作成したプログラムがうまく動かないときなど、決してシステムが表示するメッセージを読もうとしない・メッセージが伝えようとしていることを受け取ろうとしない、というのは共通した傾向として感じました。 そういう訓練・教育を受けたことが無いためだと思います。 訓練さえすれば十分に習慣付けできる素質をもった人たちだと感じます。

今回は、わずか3ヶ月の任期ですので、充分にカバーできませんが、私のあとも派遣が継続するようでしたら、そのあたりをサポートしていただけるとありがたいです。

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