パラオの「シューカン」のひとつ。
第一子が誕生したあと、母体の回復と赤子の成長を祈って、催される儀式。
「ベビーシャワー」と言ったりもします。
母親はこの儀式として1週間から10日の間、薬草サウナのようなテントのなかで産後の回復儀式を続けます。 最後にこの日お披露目の儀式をおこなう、という行事です。
下の画像はいずれも参加させていただいた、最後のお披露目の儀式:Ngasech の様子です。

朝から、老若男女を問わず歌と踊りで盛り上がります。

主催者は大量の料理・飲み物でもてなします。 定番の「豚の丸焼き」。 姿のまま、焼かれても4本足で立ってます(?)。 意外とあっさりしておいしい。 お尻のほうから上手にカットしてくれます。

午後になってようやく主役(母親)が介添え役の二人の子供を伴って登場。
からだにはココナツオイルにターメリックなどを混ぜて塗っていて、すこし黄色く見えます。 右手に持つのは、今回は葉ですが、花の場合もあるようです。 この姿勢のまま、夕方までじっと立ってます。

参加した人々は皆1ドル札を手に主役の周りで踊り、介添えの子の持つカゴにお札をいれていきます。 ひとりで何度も1ドル札をいれている人もいました。 こうした「シューカン」と呼ばれる行事の出費はたいへんな負担であるようで、問題視する人もいるみたいです。
昔から伝わる、こうした通過儀礼を素朴なままに残してほしい、と思うと同時に、すこしずつ華美になり、ある種「ショー」化していく姿に複雑な気分にもなります。