TIA BELAU紙の中に、読者の投稿などを載せたりする頁、「Public Forum」というのがあります。
この中に、「Other View」という小さな記事枠があって、私はそれを「異見」という訳語がぴったりかな、と考えたりするのですが、先日ここに「Bewildering Acts」という短い記事が載っていました。行政・立法府が決めた法律だけれども、どうにも「困ったものだ」とクビをかしげたくなるような法、というような意味合いでしょうか・・・
記事の頭に、有名な故ケネディ大統領の演説の一部が引用されています。
”Ask not what your country can do for you, but what you can do for your country.”
筆者はこの有名な一節をもじって、パラオの指導者たちが我がパラオ国民に与えるironicalな一節に仕立てます
”Ask not what your country can do for you, but what you can do for yourselves.”
「国が何とかしてくれるなんて期待しちゃダメ、自分のことは自分で考えなさい」と、パラオのリーダー達はパラオ国民に言ってるのだよ、と。
皮肉まじりな展開が続きます。
「物価高騰には増税とコンパクトロードの制限速度をあげ、ガソリン高騰にはサメの保護で応じている。まさに、海洋生物にとっては我々人間以上に夢のある時代だ。」
最後に一転して筆者はまじめにしめています。
It’s time we learn from our past mistakes and take sensible actions to ensure a more optimistic future for our children”
過去の過ちから学び、子孫によりよい未来を残すべく、分別ある行動をとる時がきた、と。
そして、もう一度あの一節をもじって終わります。
”Ask not what our country can do for us, but what we can do for ourselves.”
リーダーが国民に向かって呼びかける言葉ではなく、国民が自戒を込めてみずからに言い聞かせるironicalなaphorismに仕立てられています。
なかなかintelligentで、気が利いたironyだな~と感心いたしました。