誕生日を2つ(!)登録できるようにしてほしい

私の技術協力の現場である役所では、様々な証明書を発行する。 市民が仕事を見つけ、雇用主に提出する「犯罪歴がないこと」の証明書の発行を依頼する、というケースが多い。 このシステム、PoliceClearanceシステムと呼ばれている。

先日、このシステムの改善要望がある、というので、担当者のところへ行って要件インタビューをおこなった。
曰く、「Applicantの誕生日欄を2個にしてほしい」。

誕生日が2つ?!

「それはありえない話しでしょう!」と突っ込みをいれると、担当者は少しもあわてず、冷静に「誕生日を2つ持っている人がいるのです。証明書にもそのように記載する必要があります」と。

曰く、「誕生日は、どこやらの役所とどこやらの役所が異なる日付で発行しているケースがあり、証明書にも『生まれた日xxxx年xx月xx日 または ○○年○月○日』と記載することになっている。その書類もDBから誕生日をひいて印刷するシステムになっていて、誕生日を2つ持つ人にはそのように印字する必要がある」と。

2つの誕生日を「どちらかにまとめる」という発想をとらずに、「どちらも有効」と認めて、どちらも公式書類に記載する、というのが、なんともパラオらしいおおらかさ、などと感心していては(ほんとは)いけないのですが・・・・・

書式の変更を相談していると、担当者は「2つの誕生日を『and/or』でつないで印字してくれたらいい」と言います。 いくらなんでも「and」はないだろう、と、そこんところはほとんど吹き出しそうになるのをこらえて、「『or』だけのほうがいいんじゃない?」と言ってみます。 担当者は、なにがおかしいの?みたいな真剣な顔して「何にこだわってるの?」と言いたげでした。 で、書類には「誕生日 xxxx and/or ○○○○」と記載されることに決定。 (and って、『アンタ、2回産まれたん? お母さん、びっくりしたやろね~』と突っ込みたくなりますが・・・)

いやー、おもしろい国だ・・・・・

教訓: 「出生登録の窓口は一本化するほうがいいですよ~」
      (やはり国家経営・国家運営のインフラができてないですね・・・)
       結局いつもそこに行き着いてしまいます。 いやー、難しい国だ・・・・

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